21世紀の洗練された処刑機械 謎解き付き
国営の研究施設を思わせるコンクリートの細長い部屋では、複雑な仕掛けの自動機械が休むことなく稼働していた。誰もが知っている動物アニメのキャラクター(ネズミ)を連想させる透明なプラスチック製の〈頭部〉が銀の円盤に乗せられて、コトコトと手前から奥へと運ばれていった。ここに集められた十六名は、自動機械の仕組みと謎を解かなくてはならない。
でも、どのようにして? きみ、分かりますか?
空虚な笑いが漂った。どこからともなく洩れ聞こえてきた話によると、いずれプラスチック製の〈頭部〉に代わって、誰かの本物の〈頭部〉がその銀の円盤に乗せられるはずだという。
詩作メモ
詩の前半は夢で見た情景がもとになっている(奇妙な夢だった)。さて、後半の展開をどうしよう…… カフカの短編小説「流刑地にて」(カフカ「小説全集4」池内紀訳、白水社)から、イメージを借りてきて詩を完成させた。
21世紀であれば、カフカが生きた時代より自動機械の仕掛けについては格段の進歩(洗練と巧妙さ)が見られると思う。
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