夢のパズル
I
紙のような薄さでパズルの隙間に消えていったピエロ
あら 気がつきませんでした ここで死んでいたのですか?
いえ 死に乗り遅れたんです ただ それだけですよ
II
いつからだろう? 暗さのなかで撚られた情景だった
死者たちの見忘れた夢が わたしたちの夢にすり替えられる
誰でもないものたちの (それはあなたの それはわたしの
眼差しからゆらぎでた影たちの) 真夜中のパレード
太鼓と鐘のリズム 瓦礫が積み上げられた陸上競技場跡に
巨大なテントが仮設された (さあ サーカスがはじまるよ)
生命を吹き込まれた針金細工のライオンが夜を駆けていた
すごいや! 撒かれたビラの余白に感動を書きとめた
明日よりはやく 再び夜が来る (星がめぐる)
新しい鞄を買った 旅行のプランを練ろう (終わらない夢)
アーケード商店街では小型旅客機が待機している
詩作メモ
パズル:論理的な操作によって〈問〉から〈答〉を導く遊び(合理機能)
夢:現れてくる事象をそのまま知覚する世界(非合理機能)
ここで、こんなふうに問いかけてみよう。夢のなかでパズルを解くことは出来るだろうか? 世界が反転するとパズル(合理機能)と夢(非合理機能)の関係もまた反転するのだろうか?
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