小さな区画だった
小さな区画だった
探偵のように秘密を探ろう 忘れていたものたくさん
午後の光が雲間から漏れて 校舎の壁を明るくすると
そこにぼくたちふたりの影があった
やがて離れ離れになってゆく
はじめから無かったものを在ったと思い それを奪われたと感じる
芸術家たちのアトリエは愛をつきかためた白い壁の集合住宅だった
木箱に詰められた柔らかな粘土が子供の夢だった
詩作メモ
着想を得たときに書きとめた詩は、どこか暗く陰鬱な印象だった。10ヶ月後、詩は清明な光を得て仕上がった。光が届くまでずいぶんと時間がかかった気もする。どこからやってきた光だろうね? 光はいつも詩の傍にあって、それに気がつかなかっただけかな?
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